お知らせ

2017.3.8社内研修(知的障害者の人権に関する考察2)

・知的障害者の人権に関する歴史(人権が認められなかった時代)

・軽視されやすい知的障害者の人権

人権侵害事件の事例(栃木県と滋賀県の企業で発生した2つ事件)

裁判事例と人権侵害の具体的な内容、そして知的障害者に対する人権擁護の動向と課題を取り上げて議論しました。

栃木県と滋賀県の企業で実際に起こった、社長による知的障害をもつ従業員に長期間に渡って行った(薬の取り上げ、性的暴行、年金横領、傷害)事件は、とても悲惨な内容でした。また事件を証言できる方が知的障害の方しかいない状況で、警察や裁判では知的障害者の証言の信用性が欠けると扱われました。

第2次世界大戦終決以前における障害者とりわけ知的障害者の人権は、多くの国々で軽視されたり無視されたりすることが多かった。その主な理由は、社会が企業が求めている生産活動に従事できない、軍隊として必要な戦力になりにくい、あるいは民族の存続と繁栄に悪影響を及ぼす可能性があるなどによるものだった。例えば、ドイツにおいては、ゲルマン民族の優秀性を保持するためには知的障害者の存在そのものが否定され、一時期抹殺されたという歴史もある。また、米国やスウェーデンにおいても知的障害者に対する処遇の歴史は人権が認められなかったという点ではドイツとほぼ共通しており、社会や地域から隔離されたこともあった。日本においても多くの知的障害者は人権が認められず、社会や地域から、そしてときには恥ずかしい存在として家族からも排除されたという歴史をたどってきた。

各種の人権擁護団体や支援団体及び個人がより一層知的障害者の人権擁護のために必要な役割を果たすこと、そしてエンパワーメントを進展させていくことが重要な基本であると思います。